かば焼きでおなじみの「ニホンウナギ」の稚魚の北海道の河川への来遊が近年、大幅に増えた可能性がある――。そんなシミュレーション研究の結果を、海洋研究開発機構や東京大、北海道大の研究チームがまとめた。地球温暖化に伴う海流の変化が主な要因とみられる。ウナギの資源保護に向けて、今後、北海道での生育状況を調査するという。
ニホンウナギの産卵場は、日本のはるか南のマリアナ諸島西方海域にある。卵から孵化(ふか)した幼生は、北赤道海流と黒潮によって日本を含む東アジアへ運ばれる。全長5~6センチに育った稚魚は「シラスウナギ」と呼ばれ、国内各地の河川にやって来る。
これまでシラスウナギの捕獲記録は青森県が北限だった。ところが、2020年に北海道胆振地方の河川で稚魚が確認され、北限の記録が更新された。
こうした状況を受けて、研究チームは稚魚が海流によってどう運ばれてくるのか、数値シミュレーションを行った。
ニホンウナギの幼生に見立て…